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チェロ(ヴィオロンチェロ、セロとも表記。英名:Cello、Violoncello)は、西洋音楽で使われるヴァイオリン属の弦楽器の一つである。弦の数は4本。略号は「Vc」。
西洋のクラシック音楽における重要な楽器の一つで、オーケストラによる合奏や弦楽四重奏、弦楽五重奏、ピアノ三重奏といった重奏の中では低音部を受け持つ。また、独奏楽器としても重要であり、多くのチェロ協奏曲(チェロ・コンチェルト)やチェロソナタが書かれている。ポピュラー音楽においては決して一般的ではないが、しばしばポップスやロックの曲中でも用いられる。
ベルリオーズの時代には俊敏性にかけるといわれた歴史もあるものの、現在ではヴァイオリンやヴィオラでできる芸当は現実的にチェロでも可能と解釈されている[1]。
チェロに関した楽曲を時代ごとに挙げると、バロック音楽ではJ.S.バッハの「無伴奏チェロ組曲」、古典派音楽ではハイドンの「チェロ協奏曲第1番ハ長調」が挙げられる。ロマン派音楽では、ドヴォルザークの「チェロ協奏曲ロ短調」とエルガーの「チェロ協奏曲ホ短調」が有名で、ドヴォルザークのチェロ協奏曲は、数あるチェロ協奏曲の中でも特に有名かつ評価が高い。日本では「ドボコン」(「ドヴォルザークのコンチェルト」の意。彼が生涯に書いた協奏曲の中で最も有名であるが故である)と略され親しまれている。
「チェロ」という語は、イタリア語の "Violoncello" に由来するが、その由来は若干複雑な派生語によっている。 コントラバスの元になったヴィオローネという楽器があるが、それは「大きなヴィオラ」("Viola" と接尾辞"one")という意味である。ちなみに、このヴィオラとは現在のヴィオラのことではなく単に弦楽器の意である。よって、"Violoncello" は「小さな『大きな弦楽器』」というわけである。この"Violoncello"の語が英語に外来語として入った後に "Cello" と略されるようになり、イタリア語でそもそも「小さい」を意味する形容詞が独立して楽器名として通じるようになってしまった。それが日本語にも入り、「チェロ」として定着した。 ちなみに、オーケストラのスコアでは通常チェロ群にはイタリア語での複数形で"Violoncelli"と書かれる。チェロは、同じくヴァイオリン属の楽器であるヴァイオリンやヴィオラとほぼ同じ構造である(なお、コントラバスはヴィオール属の影響を強く受けているため、チェロなどの他の3つとは多少異なる)。ただし、低い音を出すために形全体が大きく、特に厚みが増している。また、チェロはその大きさと重さゆえにヴァイオリンやヴィオラのように顎で挟んで保持することが困難なので、エンドピンを床に立てて演奏する。本体の大きさに比べると指板はヴァイオリンなどより若干細めである。ヴァイオリン属では低音楽器になるほど胴体と弦の角度が大きいため、ヴァイオリンに比べると駒が高く丈夫に作られている。弓もヴァイオリンなどより太いが、長さは逆に短い。
弦は現在では金属弦が主であり、低音弦には質量を保ったまま細く仕上げるために、タングステンや銀を使用した弦が使われることがある。バロック奏者においては、ナイロン弦やガット弦が使用されることもあるが、音量やメンテナンス、寿命に難があり使い手を選ぶ。
受け持つ音域からすると本来チェロはもっと大型化すべき楽器であるが、演奏が困難になるので現在のサイズとなっている。弦の長さもこれ以上長くできないので、巻線を使用するなどして低い音を出すようにしている。正しく調弦した状態で4本の弦にかかる張力は、弦の銘柄によって多少は異なるがおおむね同じであり、最も太いC弦も最も細いA弦もほぼ同じ9 - 13kg程度の張力で、楽器全体では40 - 50kgの張力となる。コントラバスやギターのようなウォームギアによる巻き上げ機構は一般的に備えておらず、ヴァイオリンやヴィオラと同じように木製のペグの摩擦だけで弦の張力を支えている。このため、ペグの調整が不完全な状態であると調弦が極めて困難である。
楽器本体は基本的に表板は、スプルースなどの木材で製作され、それ以外はメイプルが使用されることが多い。指板には通常黒檀が使用されるが、真っ黒な黒檀が枯渇して希少となっているので、茶色の黒檀を塗装して使用したり、廉価な楽器では塗装されたメイプルが使用される。ドライカーボン製のチェロもアメリカでは販売されており、独特の音色と音量でユーザーが増えつつある。ドライカーボン製のチェロであっても、駒や魂柱は木製のものを使用する。非売品としてガラスやアルミ製のチェロも製作されたこともあるが、日常の演奏に耐え得るものではない。エンドピンには亜鉛の合金が使用されることが多いが、最近ではカーボンやチタン、タングステンなども使用されている。
歴史[編集]
今日のスタイルのチェロの形態が確立したのは18世紀末以降であり、それまでは各種の形態、演奏法があったと推察されている。J.S.バッハと同時代で親戚に当たるJ.G.ヴァルターの音楽辞典(1732)には「チェロはイタリアの低音楽器で、ヴァイオリンのように演奏された。すなわち部分的に左手で支えられた」と記されている。また、レオポルト・モーツァルトの「ヴァイオリン奏法」(1756)では、「かつては5弦であったが今は4弦しかない」「この頃は脚の間に挟んで支えられる」と記されており、かつてはヴァイオリンのような奏法であったこと、ヴィオロンチェロ・ピッコロやヴィオラ・ポンポーザのような楽器も広くチェロという楽器であったことが推察される。実際に当時の絵画や彫刻ではチェロと思しき楽器を肩の上または胸に当てて演奏する姿が見られる。近年、このタイプのチェロ(ヴィオロンチェロ・ダ・スパッラ=肩かけチェロ)の復元演奏が主にバロック・ヴァイオリン奏者の手によって行われている (外部リンク参照) 。稀にヴィオラ・ダ・ガンバを「チェロの祖先」と表現することがあるが、ヴィオール属とヴァイオリン属は直接的な祖先・子孫という関係には当たらないため、誤りである。
1600年代、フランチェスコ・ルジェッリは、それまでのチェロより小型の形状のチェロを造り高い評価を得た。ルジェッリが発案したチェロの形状はアントニオ・ストラディバリやグァルネリといった名工にも模倣されていくことになる。ルジェッリのチェロは『ルジェリ型』としばし呼ばれるが、ストラドはさらに改良を進め、1600年年代末から1700年代初頭にやや縦長の『ストラド型』という今日最も模倣されている形状に辿り着いた。一方ストラドと同じ時期のドメニコ・モンタニャーナの作品もとりわけ高名である。ドメニコ・モンタニャーナの楽器は『モンタニャーナ型』と呼ばれ、モンタニャーナ型はストラド型と比較して幅が広く、全高さが低いのが特徴的である。幅の広さは作品によってまちまちであるが、アッパーバウツが38cmを超える大型の楽器もある。 1800年頃を境に音量が求められるようになり、金属弦が採用されるようになった。弦の張力も増し、弓の形状も変わった。それに対応するために楽器の構造や仕様に手が加えられた。この改造後の現代仕様のチェロをモダン・チェロ、歴史的楽器で改造を受けていないものをバロック・チェロといって区別することがある。バロック・チェロにはエンドピンがなく、通常5弦のことが多い。
調弦[編集]

チェロの各弦の調弦
チェロには4本の弦があり、奏者から見て左側、音が最も高い弦から第1弦、第2弦、第3弦、第4弦と番号が振られている。調弦は、第1弦が中央ハ音のすぐ下のイ音(A3)であり、以下完全5度ごとに、ニ(D3)、ト(G2)、ハ(C2)となる。弦の呼び名を番号でなく「C線」「C弦」(慣習的に「ツェーせん」「ツェーげん」とドイツ語読みする)などと音名で呼ぶことも多い。第4弦のハ音は中央ハ音の2オクターブ下の音となる。この調弦はヴァイオリンより1オクターブと完全5度低く、ヴィオラより1オクターブ低い。
変則的な調弦(スコルダトゥーラ)による楽曲もある。バッハの「無伴奏チェロ組曲」第5番では第1弦を1全音低めのG3に調弦する。同じく第6番は、第1弦より完全5度高いE4の弦を1本追加した5弦の楽器ヴィオロンチェロ・ピッコロ用に書かれている。コダーイ・ゾルターンの「無伴奏チェロソナタ 作品8」(低い方からB1, F#2, D3, A3と調弦)も変則的な調弦である。
音域[編集]
チェロの発音できる音域は、3オクターブ前後(C2-G4)である。駒寄りの弦を押さえることにより5オクターブまで発音することは出来るが、それで曲を演奏することは技術を要する。一方ハーモニクスという手法を用いて、さらに数オクターブまで高い音を出すことも可能である。これはチェロが縦に構えられて演奏され駒近くの弦を押さえるのが、ヴァイオリンなどと比較して容易なことに起因する。このためチェロは非常に広い音域を表現することが出来、単一の楽器だけでアンサンブルを組むことを可能としている。
詳細は「チェロアンサンブル」を参照
記譜法[編集]
チェロのための楽譜は、基本的にはヘ音記号で書かれるが、高音域になるときにはテノール記号(ハ音記号)も使われる。ト音記号も稀に使われるが、時代によって意味が異なるので要注意である。主に19 世紀にはト音記号は声楽のテノールと同じようにオクターブ下げて読むのが普通であった。テノール記号が併用される現代では、ト音記号も実音で記譜する。

※内容に関してWikipediaより抜粋している内容がありますので一部間違い等あるかもしれませんのでご了承下さい。

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